観察日記の一覧
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9月の観察日記(動物)
9/23の秋分の日は、穏やかな快晴になりました。朝、テラスから空を見上げていると、タカのような鳥が飛んでいます。よく見ると、尾羽が長くて先端が黒く、顔には目立つ模様があります。ハヤブサの仲間のチョウゲンボウです。チョウゲンボウは、日本本土やユーラシア大陸東部で夏を過ごし、徳之島など南の地方で冬越しをする渡り鳥です。島内では秋から春にかけて、飛んでいる姿をよく見かけます。この鳥は、早くも徳之島にやって来たようです。例年、秋分の日の前後から、北寄りの風が吹く日が増えます。こうした北風に乗って、はるか北の土地から、渡り鳥たちが越冬のためにこの島にやってきます。同時に、リュウキュウアカショウビンなど、東南アジアで冬越しする渡り鳥たちが、この島を出発していきます。まだ夏とさほど変わらない気温の日々が続いていますが、季節が着実に進んでいることを感じる機会になりました。
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9月の観察日記(植物)
キウイフルーツそっくりのシマサルナシの実を、味見してみました。シマサルナシは、森の木にからまって伸びるつる植物で、夏から秋に、キウイフルーツに似た実を付けます。実は、手の届かないほど高いところにあることが多いのですが、今回はたまたま、地面に落ちていた新鮮な実を見つけました。シマサルナシに近い種で、中国に分布するオニマタタビが、キウイフルーツの原種です。そんなシマサルナシの実を切ってみると、中身はキウイフルーツそっくり。味もよく似ており、ひかえめながらも、ちゃんと甘さがあります。タネが大きめで硬いのが、少し気になります。この実は、島の方言でクガやクガーなどと呼ばれており、昔は子供のおやつとして人気がありました。熟したらより甘くなるものの、熟すまで待つと鳥に食べられてしまうため、早めに実を採って、追熟させてから食べたそうです。
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8月の観察日記(動物)
8月のある夜、クワガタムシがときどきやってくる街灯を見に行きました。この日見つけたのは、トクノシマノコギリクワガタのオス。それほど大きくない個体ですが、赤褐色が鮮やかで目を引きます。トクノシマノコギリクワガタは、黒色のものが多いですが、ときどき赤褐色の個体が現れるという、日本のノコギリクワガタの仲間では比較的珍しい特徴があります。島の子ども達の間では、赤褐色のオスは「赤武者」と呼ばれています。たしかに、戦国時代の赤備えの鎧兜を想像させます。
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8月の観察日記(植物)
海岸で、大きな白い花が咲いているのを見つけました。ハマオモト(ハマユウ)の花です。おもに海岸の砂地に生える多年草で、ときどき植栽もされています。葉は青々としていて大きく、ふちにコンブのようなうねりがあるのが特徴です。涼しげな花は一年中咲くそうですが、とくに夏に多いようです。ヒガンバナ科の花らしく、花の形も少しヒガンバナに似ています。また、ヒガンバナと同じく、全草に毒があるとされています。
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7月の観察日記(動物)
梅雨も明け、いよいよ夏本番を迎えた徳之島。そんな7月では、さまざまな生きものとの出会いがありました。林道でよく出会うのがオビトカゲモドキ。当センターのシンボルマークであり、旬な生きものを紹介する「生きもの暦」7月の展示でもあります。まだ尾が自切しておらずきれいな帯模様が残っている若い個体や、お腹に卵を抱えた個体など、多様な姿を観察できました。鮮やかな色彩が目を引くヒャンにも出会いました。神経毒をもつコブラ科のヘビですが、口が小さくおとなしい性格をしています。もしフィールドで見かけた際は、遠目からそっと観察してくださいね。そして、毒蛇といえばやはりハブ。夕方に車を走らせていると、林道だけでなく民家のすぐ近くで出会うこともあります。よく観察してみると個体ごとに模様や色味が少しづつ異なっていて、とても味わい深い生きものです。7月の徳之島では爬虫類たちの活動も活発になり、私たちの暮らしのすぐそばで彼らの姿を見ることができました。この「人と自然がとなりあう」近さこそが、徳之島の大きな魅力ですよね。今回ご紹介した3種は、当センターの「比べてみよう」展示でも詳しくご紹介しています。ぜひ、訪れた際には展示をご覧ください。
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7月の観察日記(植物)
ニッケイ(肉桂)という木の、枝を見せてもらう機会がありました。葉は子どもの手のひらくらいの大きさです。葉を折ったり、ちぎったりすると、甘い香りがします。ニッケイの根の皮を加工したものはニッキなどと呼ばれ、和菓子などの香りづけに用いられてきました。広い意味では香辛料のシナモンのひとつとも言えるものですが、一般にシナモンとして流通しているのは、シナニッケイやセイロンニッケイなど、近縁種の樹皮です。ニッケイは日本の固有種で、自生するのは徳之島と、沖縄島以南のいくつかの島だけとされています。徳之島では、カラケーやカラギーなどの方言名があります。おもしろいことに、この木の枝(の皮)は、かつては島の子どもたちに、おやつとして人気があったそうです。ためしに枝をかじってみると、シナモンの香りとともに、コショウに似た辛味を感じます。とくに美味しくはなかったため、『正しい食べ方』を教えていただける方を探しています。そして、ニッケイの枝や葉はそれほど特徴が無いように見え、自分の目では、他の木と見分けられそうにありません。昔の子どもたちがこの木を見分け、おやつとして利用していたことに、驚かされます。
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6月の観察日記(動物)
6月は梅雨の最中であり、台風も多い月でした。同時に気温もぐっと上がり、海水浴を楽しむ人たちの姿もよく見かけるようになっています。そんな初夏の海辺では、さまざまな生きものとの出会いがあります。ウミガメは現在、産卵期を迎えています。日中に海を眺めていると、彼らが優雅に泳ぐ姿を見かけます。砂浜では産卵した場所を守るための注意看板を目にすることもありますが、私たちが普段訪れる場所で彼らが必死に命を繋いでいるのだと思うと、この環境を守っていくことの大切さをより強く実感します。一方で、海に入る際には危険生物への注意も欠かせません。先日、海の中でハナミノカサゴを見つけました。優雅で美しい姿をしていて、思わず近くでゆっくりと観察したくなりますが、背びれ・腹びれ・臀びれの棘に強力な毒を持っています。刺されると激しい痛みや腫れ、場合によっては全身症状を引き起こすこともあり大変危険です。見かけた際には決して触ろうとせず、遠目からそっと観察するようにしましょう。
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6月の観察日記(植物)
センリョウは、森に生え、高くても1.5mほどにしかならない常緑小低木です。オレンジ色や黄色の鮮やかな実の付いた枝を正月飾りに使う習慣があるため、徳之島ではとてもなじみ深い植物です。6月の森で、そのセンリョウの花を観察しました。花はとても小さく、また変わった姿をしています。なにより、はなびら(花弁)がありません。緑色のめしべに、白いおしべがくっついているだけ。おしべの側面には、黄色い花粉を付けた一対の葯(やく)があります。咲き終わった花を見ると、おしべが脱落し、めしべだけが残っています。この部分が冬には鮮やかな色の実になります。じつはセンリョウの実には、おしべの跡が残っています。実にある目立つ大きな黒点は(花粉を受け取る)柱頭の跡なのですが、その下側に小さい黒点があり、これがおしべが付いていた跡です。正月にセンリョウの実を見る機会があれば、ぜひおしべの跡を探してみてください。
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5月の観察日記(動物)
平年より早い梅雨入りを迎えた徳之島。雨の日が多くなりましたが、ふとのぞく晴れ間には、たくさんの生きものたちが生き生きとした姿を見せてくれました。沢の近くを歩いていると、ひらひらと優雅に舞う「リュウキュウハグロトンボ」に出会いました。雄は翅の筋(翅脈)が美しい青白色で、胴体は金緑色。遠くからでも目をひくほどの美しさです。歩いていると、道を横切っていくのは準絶滅危惧種の「オオシマトカゲ」。大好きな太陽の光を浴びて、気持ちよさそうにしていました。ふと気の上に目を向けると、緑を基調とした体色と尺八のような鳴き声が特徴的な「ズアカアオバト」が熱心に木の実を食べている光景にも出会うことができました。雨が続く季節ですが、雨上がりのひとときにはぜひ生きものを探してみてください。
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5月の観察日記(植物)
梅雨まっただ中の徳之島。ふと気が付くと、センター周辺のあちこちにあるソテツの葉の間から、大きな黄色いものがのぞいています。その正体は、ソテツの大きな花です。ソテツには雄株と雌株があり、それぞれ違う形の花を付けます。細長い、巨大なトウモロコシのようなのが、雄株が付ける雄花。丸いモップのようなのが、雌株が付ける雌花です。雄花は大きいもので長さ40cmほど、雌花は人の頭くらいの大きさで、どちらもとても目立ちます。虫が集まっている雄花に近づくと、パイナップルのような甘い香りがします。セイヨウミツバチやアブの仲間が周囲を飛びまわり、花の隙間に入り込んでいきます。セイヨウミツバチは、花粉を集めて足に付けていました。島では、ソテツの雌花が咲き終わって「閉じる」と、梅雨が明けると言われています。そろそろ梅雨も終りに近づいているようです。
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