観察日記

10月の観察日記「植物」
徳之島の森の生態系の中心的存在であるオキナワウラジロガシやイタジイ。
そのどんぐりの実の付き具合を調べる調査に参加しました。
島内の世界遺産地域のとある森。
歩道沿いにあるオキナワウラジロガシとイタジイの20本ほどが調査対象の標本木(ひょうほんぼく)となっています。
調査では双眼鏡で標本木の梢を30秒ずつ数か所見て、見つけたどんぐりをカウントします。
ずっと上を見ていると首が痛くなるので、なかなか大変な作業でした。
こうした地道な調査の結果、どんぐりが多くできる『豊作』の年と、ほとんどできない『凶作』の年があることがわかっています。
オキナワウラジロガシは、この日調査したすべての木で、どんぐりを見つけることができませんでした。
去年に引き続き、今年も徳之島ではどんぐりが凶作のようです。
一方、イタジイはある程度実を付けているものがほとんどで、鈴なりのどんぐりを多数数えられた木もありました。
指導をしていただいた先生によれば、どんぐりの豊作・凶作は、どんぐりを食べるカラスバトやトクノシマトゲネズミ、ケナガネズミの子育てにも影響を与えるそうです。
どんぐりをつけるカシやシイは、これら森の生きものたちの命を支える大事な木であることを実感した1日でした。

