徳之島世界遺産センター 徳之島世界遺産センター
観察日記
11月の観察日記「植物」

11月の観察日記「植物」

畑の脇や道ばたで、熟したソテツの実の鮮やかな色がのぞく季節になりました。ソテツが身近な徳之島ではこうした風景はおなじみですが、いつまでもそうではないかもしれません。奄美群島では2022年以来、東南アジア原産のソテツシロカイガラムシが猛威を振るっています。この虫はソテツの葉などに群がり、汁を吸って葉を黄褐色にさせ、ひどい場合は枯死させてしまいます。喜界島や加計呂麻島、請島、そして群島外の沖縄島でも侵入が確認されているほか、最初の侵入地である奄美大島では、ソテツが広範囲で壊滅的な被害にあっています。

そのソテツシロカイガラムシが、ついに徳之島のソテツでも相次いで発見されました。島の玄関口である亀徳新港そばのソテツはそのひとつで、すみやかに伐採・処分され、跡地には薬剤がまかれました。島の北東端の金見地区でも樹齢300年と言われるソテツ並木に予防のための薬剤散布が行われました。代表的な観光地であるとともに、歴史的に重要なこの並木。今後も島内における被害拡大防止への取り組みが急務となりそうです。

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