観察日記

11月の観察日記「動物」
世界遺産地域を通る林道に、夜の生きもの調査に行きました。夜はだいぶ涼しくなってきたこの時期、夏の間は見かけなかった生きものたちが出てくるので、林道歩きが楽しくなります。散らばるシイのどんぐりを踏みながら歩いていくと、いつもいるオビトカゲモドキがさっそく出迎えてくれました。渓流沿いの道では、ところどころにアマミハナサキガエルがたたずんでいます。産卵が本格化する時期を前に、メスのお腹はふくらんでいます。近くの渓流では、なわばりでもあるかのように、岩の上にオスが陣取っていました。
林道の水たまりでは、めずらしい生きものがいました。アマミアカガエルのオスたちです。繫殖期の彼らは、水たまりで、まるでお風呂につかるようにしながら、小さな声で鳴いてメスがやってくるのを待ちます。繁殖期以外は森の中で暮らし、林道でもあまり出会うことがないこのカエル。神経質でさっさと逃げてしまうので、写真を撮るのも苦労します。
そして渓流沿いには、りっぱなハブも。倒木の上で川の方を向いて、なにかを待ち伏せしていました。そのほか、めったに見られないトクノシマトゲネズミが足元の茂みから駆け出していくなど、徳之島の森歩きらしい、充実した自然観察になりました。

