観察日記

五月の観察日記「植物」
徳之島は、例年5月中旬に梅雨入りします。
島でちょうど同時期に開花する、「梅雨入りを告げる花」がいくつかあります。
そのひとつはイジュの花。
ツバキ科の高木で、ツバキに似た白い花を咲かせて目立つ木です。
イジュは在来種ですが、植栽されたものがよく見られます。
材は建築用材などとして使われるほか、かつては樹皮を、魚を捕るための魚毒として利用していました。
もうひとつは、コンロンカの花です。
アカネ科のつる植物で、林道沿いや道路わきなどでよく見られます。
花の本体よりも、花を囲む葉が白くて、とても目立ちます。
島での方言名は、「童泣かせ」を意味する「われなかさ」や「われなかしかんじゃ」(「かんじゃ」はつる植物のこと)。
昔は子どもの仕事でもあった薪集めの際、薪をくくるためのつるとしてコンロンカを選んでしまうと、つるが切れやすくて困ることに由来するのだそうです。