徳之島世界遺産センター 徳之島世界遺産センター
観察日記
6月の観察日記「植物」

6月の観察日記「植物」

徳之島では畑の周囲や庭など、あちこちに植えられているソテツ

ソテツは、その葉が畑の緑肥になるほか、実や幹が食料になるなど、人々の暮らしとも深くかかわってきた植物です。

そのソテツは、梅雨のさなかに開花期を迎えます。

ソテツにはオス株とメス株があり、それぞれの株は違う形の花を咲かせます。

オス株の花は塔のような形、メス株の花は丸い形です。

どちらも大きく、明るい色で目立ちます。

大切な食料であったソテツの実をならせるため、昔は花の時期に受粉作業を行うこともありました。

そのやり方は、オス株の花をばらばらにして、長いひしゃくでメス株の花にかけるといったものだったそうです(盛口, 2024, p. 220)。

なお、ソテツの実には毒があるので、毒抜き等の処理をしないと食べることができません。

こうした処理を施したソテツの実で作る味噌(なり味噌)は、今も島の売店などで売られています。

文献盛口満. 2024. 琉球植物民俗事典 聞き書き 琉球列島の植物利用. 八坂書房, 東京.

#tags