観察日記

12月の観察日記「動物」
冬の気配が深まり、徳之島の空に「ピックイー」という澄んだ声がよく響くようになりました。
その声の主は、秋の渡り鳥として知られるサシバです。
本州・四国・九州では夏鳥として親しまれているサシバですが、奄美群島では冬鳥として秋から春にかけて島で過ごします。
そのため徳之島では、サシバの声が聞こえ始めると「秋が来たなぁ」と感じる方も多く、季節の移ろいを告げる鳥として島の人々に親しまれてきました。
サシバは農地や山地で生活しています。
木の枝や電柱の上にとまり、じっと周囲を見渡しながら、餌となる昆虫やネズミを探す姿がよく見られます。
サシバは猛禽類の中でも比較的環境適応力が高く、里山や人の暮らしに近い環境を利用しながら狩りを行うことが知られています。
空高く舞う姿も美しいですが、静かに佇むその様子には、どこか凛とした風格があります。
遺産センターのテラスに出てみると、運が良ければ、このあたりに住み着いているサシバの姿や鳴き声を確認することができます。
ご来館の際は、ぜひ空や周囲の電柱にも目を向けてみてください。
サシバとの出会いが、季節を感じるひとときになりますように。

