観察日記

8月の観察日記「動物」
暑さの続く8月。
徳之島の森では、夏らしい生きものたちの姿や声に出会いました。
夜の明かりにやってきたのは「トクノシマヒラタクワガタ」。
幅広く平たい体をしていて、黒くつやのある姿はまるで漆器のよう。
じっと眺めていると、思わず「かっこいいなぁ」と声に出したくなるほどです。
ため池の周りを歩いていると、カエルの声に交じって足元に「ヒメハブ」が現れることもありました。
今は産卵の時期で活動が盛んです。
島では俗に「マムシ」と呼ばれています。
そして夏の森を彩ってくれたのが「リュウキュウサンコウチョウ」のさえずりです。
8月のはじめには、高い頻度でその澄んだ声を聴くことが出来ました。
ところが月の終わりになると、急にその頻度は少なくなってしまいました。
夏鳥である彼らが渡っていく時期なのだと思うと、少し寂しさを感じます。
夜の昆虫やヘビ、そして夏鳥…。
季節の移ろいとともに、生きものたちの暮らしも変わっていきます。
来月はどんな出会いが待っているでしょうか。