
暮らしのそばで細々と生き残ってきた新種のドジョウ
シノビドジョウMisgurnus amamianus
コイ目 ドジョウ科
- 全長
- 70~130mm
- 分布
- 奄美大島、喜界島、徳之島、沖永良部島、(西表島)※西表島の個体群は人為的な移入に由来する可能性が高いと思われる。自然分布域の詳細は不明。
- 環境省レッドリスト(2020)
- 情報不足(DD)※Misgurnus sp. IRとして記載
ドジョウの仲間は、エラ呼吸のほかに補助的な呼吸法として、空気を飲み込み腸で呼吸をすることが知られている。箱庭では、肛門から気泡を出す様子が観察できる。
琉球列島の固有種で、2022年に新種として記載された。ドジョウM. anguillicaudatusとは外見が似ているが、遺伝的には明瞭に区別可能。
植生が豊富な浅い湿地環境を好む。かつては水田に多数生息していたと思われるが、水田の消滅により絶滅の危機に瀕している。徳之島ではかつて普通にみられ、食用にもされていた。雑食性で、口ひげを利用して底質中の有機物を食べる。

この動物が生息する「B:尾根沿いの森」「B1:里の森」について
徳之島の森林の大半は過去に伐採された二次林です。特に集落の近くには、人の手が入ってから間もなく光が入りやすい森が広がり、所々に残る道跡や炭窯跡、畑跡が人と自然の関わりを感じさせます。こうした身近な里の森には、明るい環境を好む生きものが多く暮らしています。